新商品のラベルデザインの依頼を受けました。日本酒の中でも大吟醸酒は最も香り高く華やかな口当たりで、価格的にも普通酒や純米酒に比べて高価な商品ですが、「通常の価格より安く販売し、もっと親しんでもらいたい」と言う商品の趣旨でした。
そこで、従来の日本酒イメージのかっちりした重厚感がある和のデザイン案から価格や大吟醸酒ならではの華やかさを考え、「例えばパーティーシーンや西欧料理のテーブルにも似合うような、品の良いモダン」「ワインのようなラベル？」などという案も意見を交わしながら提案し、採用になったデザインがこのラベルです。洋風に和風を添える感覚でクラシックなイメージを意識しながら、繊細さを感じるデザインに仕上げました。
発売された当時の日本酒としては、ほとんど見られないようなデザイン表現ができました。
今は業界トレンドの先駆者として注目を浴びていますが、商品企画から生まれた新たな発想と表現に日本酒という固定概念を無くしながらデザインができたことが今となっては本当に良かったと思います。
このような商品に携わり、新しい発想を活かせたことを嬉しく思っています。

現在では季節限定や健康志向など、姉妹商品の展開も広がっています。向かって左から「春限定・大吟醸 甘口」「夏限定・大吟醸 生酒」「大吟醸 GREEN EDITION・糖質70％off」です。

十数年前に発売されてから大きく宣伝しないにもかかわらず、不動の人気を得ている定番商品のラベルをリニューアルしたいという依頼でした。この商品は発売時にデザインを担当した商品でもあり、当時は梅酒の「原酒」という打ち出しはほとんどない市場で、新たな風を吹かせる商品だと感じたことを思い出しながら打合せをしました。
リニューアル前のデザインは「田舎のおばあちゃんが漬けた梅酒」のような昔ながらの梅酒をイメージさせるデザインでした。写真は、今回依頼を受けリニューアルしたラベルです。デザインベースは変えず、新たに加わった「手摘み」という製法にこだわり、商品の付加価値をより高めていくフレーズを中心にリニューアルを進めました。スタンプ風に配し、これにかかるイラストイメージを一新してベースの色合いを明るく調整し、フレッシュさを感じるデザインに仕上げました。
既存の愛飲者に対して大きく変えない配慮をしつつ、よりいっそうの価値を感じるようなデザインを意識して制作しました。